ダイヤモンドは4Cで決める。価値の指標を理解しよう
今回のトピックは、「ダイヤモンドのグレーティング(4C)について」です。
ダイヤモンドの物質的な内容については、以前の記事(ダイヤモンドとは?)をご覧ください。
ダイヤモンドのグレーティング(品位/クラス)は、世界共通の基準が定められています。ブランドによっては基準外でのこだわりを強く打出しているケースも多いですが、原則としてこの基準から逸脱する事はできません。
グレーティングが共通で定められている事により、メーカーはもちろん消費者に至るまで安定した価格でダイヤモンドジュエリーの供給が可能となっており、価値における信頼性をもたらしています。
今回の記事では、4Cと呼ばれるダイヤモンドのグレーティングについて詳しくご紹介したいと思います。
目次
ダイヤモンドの、4Cとは?
4Cとは、4つのCの事を指しています。
- C ARAT(カラット)
- C LARITY(クラリティ)
- C OLOR(カラー)
- C UT(カット)
上記4つのCを頭文字にした指標の事を、4Cと言います。
それでは、それぞれの指標について詳しくご説明しましょう。
C ARAT(カラット/重さ)
カラットとは、ダイヤモンドにおける「重量」の指標です。一番皆様に認知されている指標なのではないでしょうか。
ただ、よく勘違いされているのは「大きさ」だと認知されているケースです。これは間違いで、「重量/重さ」の指標です。
そのため、1カラットと2カラットのダイヤモンドを比較した際、直径が2倍になるという訳ではありません。
カラットとは、数値が高ければ高いほど重くなり(その分、結果として大きくなります)、価値が高まります。
古来、ダイヤモンドの重さを計るのに使用されていたイナゴ豆(Carob)に因んだ’’カラット’’が、ダイヤモンドの重量の単位となり、1907年より国際基準となりました。1カラットは、0.2グラムに相当します。
よく小さいダイヤモンド石の事をメレダイヤと言いますが、これは一般的に0.1カラットを下回るダイヤモンドの事をさします。
婚約指輪においては、メレダイヤは主に引き立て役として重宝されます。センターの最も価値の高いダイヤモンドの周囲に配置して、輝きをデザイン的に増幅させる手法です。
そのためメレダイヤは屑ダイヤという噂も流れますが、デザインにおいては非常に重要な役割を持つダイヤモンドです。通常使用される際は複数のメレダイヤを使用するので、これからご紹介する透明度やカラーの指標などが非常に重要になります。
(塵も積もれば山となるですね)
なお、カラットばかりが認知されていますが、その他の指標を合わせた総合的な評価が重要です。そのためカラットが高いダイヤモンドがカラットが低いダイヤモンドより価値が必ずしも高いわけではないので、ご注意くださいね。
C LARITY(クラリティ/透明度)
クラリティとは、ダイヤモンドの「透明度」に関する指標です。適性な光源で、10倍のルーペで鑑定士が観察します。
ダイヤモンド内にあるインクルージョン(内包物)の数や大きさによってグレードが決まります。
インクルージョンが多く、大きいほど透明度は悪くなり、光の通過を妨げます。結果、ダイヤモンドの輝きに影響するわけです。
内包物が全く無いものを、最高のFLクラスとして、内包物の数や大きさが多くなるほどグレードは下がります。
なおFLクラスは非常に稀であり、なかなか流通されません。
婚約指輪では、主に一般的な小売店でSI2から、ハイブランドでVS2クラスから選ばれています。
いわゆる肉眼では内包物を確認できないクラス(SI1)からです。
C OLOR(カラー/色味)
カラーとは、ダイヤモンドの「色」に関する指標です。無色透明に近いほど、価値は高まります。
こちらの指標は無色を最高クラスのDとし、アルファベット順になるにつれて価値が低くなります。最低クラスは、Zクラスで徐々に黄色がかった色になります。
婚約指輪では、ほぼ無色と評されるHクラスからの提案が通例です。
なお余談ですが、ダイヤモンドといえば無色透明ですが、稀にカラーダイヤモンドと呼ばれるダイヤモンドが産出されます。
これらはナチュラルカラーダイヤモンドと呼ばれ、ダイヤモンド1万石の内1〜2石産出されるかされないかの希少レベルです。
カラーの種類は、下記の種類が存在しています。
- 「無色透明」
- 「ホワイト(White)」
- 「イエロー(Yellow)」
- 「オレンジ(Orange)」
- 「ピンク(Pink)」
- 「レッド(Red)」
- 「パープル(Purple)」
- 「バイオレット(Violet)」
- 「ブルー(Blue)」
- 「グリーン(Green)」
- 「ブラウン(Brown)」
- 「グレー(Gray)」
- 「ブラック(Black)」
カラーダイヤモンドは、熱処理で加工したカラーダイヤモンドが大量に出回っていますので、ご注意ください。価値は雲泥の差があります。
C UT(カット/研磨)
カットは、ダイヤモンドの「カット/研磨」に関する指標です。また、4Cの中で、原石が人間の技術に委ねられる唯一の領域です。
美しい輝きは正確なカット技術から生まれ、代表的なカットはラウンド ブリリアント カットです。
プロポーション(カットの総合評価)及び、ポリッシュ(表面の研磨仕上げ状態)とシンメトリー(対称性)によって評価され、最高の「Excellent」からグレードの順位が決定します。
婚約指輪では、良いとされるGOOD以上のグレードが使用される事が通例です。
トリプルエクセレントカットについて
EXCELLENT(エクセレント)が基本的には最上位のクラスですが、さらにハート&キューピッド、そしてさらに上位に、3EX(トリプル エクセレント)と呼ばれる指標が存在します。
3EX(トリプル エクセレント)とは、カットの総合評価、研磨仕上げ、対称性の3つの項目全てにおいて
「Excellent」の評価を得たダイヤモンドに与えられる指標です。
ハート&キューピッド専用のスコープで覗くと、ハート(画像左)とアロー(矢/画像中央)が見えます。(肉眼では見えません)
とある会社がハート&アローについて商標を取ってしまったため、俗称は「ハート&キューピット」と呼ばれます。
いかがでしたでしょうか。
ダイヤモンドのグレードは、婚約指輪選びに最も重要な知識の一つです。
せっかくデザイン性の優れた婚約指輪を購入しても、石のグレードが最悪では意味ありません。
今後、婚約指輪のダイヤモンド選びについても詳しくご紹介していきたいと思いますので、宜しくお願い致します。
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