宝石店で、二人にとって最適な婚約指輪を選ぶ方法
プロポーズで、婚約記念品として、生涯においても1度きりな婚約指輪選び。
最初で最後の機会であることが多いため、多くの方が余り知識もなく悩まれている傾向にあります。
婚約指輪選びはダイヤモンド選びでもありますから、ほとんどの方にとって初めての宝石選びに等しい場面でもあります。
婚約指輪や結婚指輪ともなれば多くの店舗やブランドショップなどに行って比較される方も多いかと思います。
掲示されたものを比較するのも大切ですが、宝飾品はただの物とは異なり、それ自体に価値が備わっている特別な品のため、
答えは人それぞれであり、それぞれに合ったコーディネートが非常に重要です。
1つの仕様が決まった製品を比較検討されるなら、価格のみになってきますが、
宝飾品はそれ自体が通貨のようなものなので、どういう価値観かによって答えとなる選択肢は大きく変わっていきます。
また宝石店では様々なセールストークによって知識が不足している部分を補充され、本来ベストだった選択肢から逸脱してしまうケースも多いものです。
そこで今回の記事では、宝石店のセールストークに負けず、
自分自身、相手にとって最適な婚約指輪選びの方法や考え方をご紹介したいと思います。
目次
答えと候補は自分で作ってから店舗へいく。
何より大事なのは、ある程度の答えや候補となる選択肢を予めご自身で決めてから店舗へいくことです。
いきなり風呂敷を広げられて選ぶよりも、ある程度フィルターされた情報を持参して行く方がよりよい選択肢を得られます。
これは婚約指輪の購入に関わらず、全ての購買活動においても同じことが言えるかと思います。
特に婚約指輪は一生に一度の究極ともいえるお買い物。
平均予算でも約30万円と高額なショッピングであり贈り物です。
それに相手にとっては一生に一度の憧れとなる場面です。
予め必要な知識を詰めておき、そこからご自身の予算、価値観、相手の価値観等を照らし合わせて、
候補となる選択肢を予め狭めておくことが重要です。
でなければ言われるがままに与えられた選択肢から選ぶこととなり、相手の土俵だけで選んでしまうことになります。
それではベストな選択肢は得られないでしょう。
今回の記事では必要な知識、考え方についてご紹介をしていきたいと思います。
平均相場を知り、自分の予算幅を決めておく。
まず最も大切なのは、婚約指輪の予算をどれくらいにするかについて予め決めておき、
絶対にその予算幅を上回らないようにすることです。
とはいっても初めての婚約指輪選びにおいて、予算を決めるのは難しい作業に感じられますが、
実際にはそんなことはありません。
なぜなら婚約指輪には相場(平均的予算)が存在しているからです。
これをベースにして検討すれば、一定の予算幅は簡単に決めることができるでしょう。
日本全国における婚約指輪の平均予算は約30万円です。
つまり婚約指輪の下限予算としては25〜30万円と考えて問題ありません。
理想の予算は、30〜50万円。最高の予算なら50〜100万円。お金に余程の余裕があるならば、100万円〜1000万円〜と上限はありません。
いずれにしても婚約指輪を購入し、相手に贈るのならば、予算は30万円あたりと考えましょう。
この30万円をベースにして、あとはご自身の価値観、資産状況、給与形態、そして相手の理想や価値観などを検討材料に加え、
最終的な予算を決めると比較的容易です。
最低限なら、25万〜30万円程度で納得のいく指輪を探す。
予算に余裕があれば、30〜50万円程度でいろんな出会いを楽しむ。
さらに余裕があるのならば、〜100万円で最高クラスの指輪を選びにいく。
もっと余裕(もはや金銭の価値のとらわれない)ならば、予算を決めなくて良いです。
宝石は価値が無いに等しいものから、数億、数百億以上まであります。
大切なのは予算範囲を相場と照らし合わせて予め決めておくことです。
ダイヤモンドの知識を最低限知っておく。
ある程度予算範囲を決めたら、次に大切なのは宝石の最低限の知識です。
婚約指輪は通例的にダイヤモンドが主流となっていますので、ダイヤモンドの価値・選び方について最低限の知識を蓄えておきましょう。
知識がないと、選ぶものも選べなくなってしまいます。
婚約指輪はダイヤモンドが主役のリングであり、価値の高いダイヤモンドを婚約記念品として贈り、
それを身につける手段とも言えます。つまり指輪選びで最も大事なのはダイヤモンド選びに等しいと言えるでしょう。
宝石の知識と聞くと難しく感じますが、ダイヤモンドについてはさほど難しいものでもありません。
むしろ下記の知識をおさえておけば、誰だって選びやすくなります。
なぜならダイヤモンドには世界共通で定められているグレーティングシステムが存在しているからです。
これは「4C(ヨンシー)」と呼ばれ、1つのダイヤモンドについて下記4つの基準を総合的に判断して価値を決めるものです。
・CARAT(カラット):ダイヤモンドの大きさ(重さ)に関する指標であり、最も認知されている指標です。
・CUT(カット):ダイヤモンドの研磨の状態に関する指標です。大きくても研磨の状態が悪ければ意味をなしません。
・CLARITY(クラリティ):ダイヤモンドの透明度に関する指標です。透明度が高いほど美しく輝き、価値は高まります。
・COLOR(カラー):ダイヤモンドの色味に関する指標です。無色であればあるほど価値は高まります。
(一部ファンシーカラーを除く)
上記4つのCを総合的に判断するため、4Cと呼ばれています。
簡単に言ってしまえば、
「より大きく、無色透明で良いカットが施された美しいダイヤモンドであればあるほど、その価値は高まる。」
ということです。
逆に言ってしまえば、いくらダイヤモンドが大きかったとしても、それ以外の実力が伴っていなければ、意味がないということ。
これらを逆手にとって悪質なお店や通販などだと、カラットが高いけれど実質的な価値は非常に低いもので販売されていたりするため、注意が必要です。
しかし上記を心得ておけば問題ありません。
さらにこの4Cが重要なもう一つの理由があります。
国際基準があるということは、どのブランド・メーカーにも基本的には価値が依存しないということです。
つまり世界中で認知されているブランド物の指輪だったとしても、地元の宝石店だったとしても、
同じダイヤモンドのクラスであれば同じ価値になるんですね。
この点を誤解されてらっしゃる方は多く、ハイブランドAだったから他のダイヤモンドより価値が高い!
ということには基本的にならないんです。
要は高級感を売りにしているブランドは、クラスの高いダイヤモンドだけを取り揃えているだけのこと。
(もちろん数千万以上もするような希少価値が秀でて高い宝石などはハイブランドでないと入手できないというケースもありますが・・)
ダイヤモンドが世界的に価値基準を共有して流通しているからこそ、
ファッションアイテムなどとは根本的に異なる考え方になるわけですね。
ブランドにこだわる理由としては、そのブランドのファンであったり、世界観が好きだったり、
そのブランド名に対して重きを置く場合でしょうか。
この点については個人の価値観で選ぶべきですが、宝石選びについては余り関係のない分野となってまいります。
では話を戻しまして4Cそれぞれの基準の中でどう選ぶかについてです。
これも意外と簡単です。
・カラット:平均相場である0.3カラット以上で検討
・クラリティ:鑑定士が見ても肉眼で内包物が発見できない、SIクラス以上で検討(1でも2でも良いです)
・カラー:鑑定士が見ても肉眼で色味が発見できない、Hクラス以上で検討(正確にはJなのですがおすすめはH以上、Iクラス許容です)
・カット:良いカットである、GOOD以上で検討
上記で検討すれば、鑑定書上どの鑑定士が宝石店の担当者が見ても、
「肉眼で無色透明で良いカットが施された、品位の高いダイヤモンド」ということが世界共通で言えるわけです。
大切なのは上記のように下限ラインをどこに設けるか。これによって格段と選びやすくなります。
微々たる差に、こだわらなくても大丈夫。
上記4Cの最低限の知識を携えた上で、さらに気をつけて欲しいこと。
それは、微々たる差にこだわらないことです。この点がかなり宝石店のセールストークに紐づく部分だからです。
例えばカットがGOODからVERY GOODになると値段は少し上がります。
この点を踏まえて営業担当はせめてくるでしょう。数万円の差が生まれてくるかと思います。
しかしGOOD以上であれば良いカットなので、VERY GOODとの見た目はほとんどありません。
(むしろ肉眼では確実にわかりません)
であればGOODで良いと考えていいです。
カットをあげたいのであれば、最高位がEXCELLENTですので、そこまで行ってしまった方が良い選択肢です。
カットについては、国内のマーケットでよく「トリプルエクセレント」という考え方で差別化を図る傾向にありますが、
これも基本的に無視して構いません。正確には、そんな選択肢もあるという位に考えておいて良いでしょう。
カットの最上位はあくまでエクセレント。トリプルエクセレントという表記はありません。
トリプルエクセレントとは、
・カットの状態に関する総合評価(最上位エクセレント)
の詳細項目として挙げられる、
・研摩仕上げの部分
・対称性の部分
もエクセレントのものを業界的にトリプルエクセレントと呼称します。
確かに全てエクセレントであれば良い選択肢ではありますが、基本的には総合評価が大切になりますので、この点をおさえておきましょう。
エクセレントに対してトリプルエクセレントになったから価格が上がる。といった場合には注意が必要ですし、
それであればエクセレントで問題ないという考え方で良いです。4Cのカラット以外の3Cについてまとめると、
「カット」
GOODもしくはVERY GOOD以上であれば良い。
こだわりたければ、EXCELLENTに。ただどれを見ても肉眼ではその違いが分かりづらい。
「カラー」
Hクラス以上であれば良い。
完全無色にこだわるのであれば、D〜F(カラーレスクラス)に。
肉眼ではDであってもHであってもその違いはわかりづらい。
「クラリティ」
SIクラス(SIGHTLY INCLUDED・僅かな内包物)以上であれば良い。
こだわりたければ、VS(ごく僅かな内包物)・VVSクラス(ごくごく僅かな内包物)に。
もしくは最高位で希少性が高いIF(内包物なし)に。
見た目ではその違いはわかりづらい。
という概念になります。どの点に重きを置くかはそれぞれの価値観で決めれば良いでしょう。
4C表記に並並ならぬこだわりがあるのであれば、上位へとあげれば良いわけです。
しかし1カラット未満であれば、品位を保っている条件付で、余りこだわる必要性はないと考えます。
なぜなら1カラット未満でカラット以外をあげていくのであれば、カラットを上げた方が見た目に大きく左右するからです。
例えば、
・0.3カラット・F・VS1・VERY GOOD
というダイヤモンド。
これは、「無色でごく僅かな内包物で透明度が高く、とても良いカットのダイヤモンド」という評価を得られます。
ここから、カラット以外にこだわり、
・0.3カラット・D・VVS1・EXCELLENT
というダイヤモンドにすると、
「無色でごくごく僅かな内包物で透明度が高く、素晴らしいカットのダイヤモンド」という評価になります。
こちらの方が指標上は確かに上ですが、前者と品位のイメージは対して変わりません。しかし値段は最適価格でも10万円以上アップします。
であれば、
・0.4カラット・F・VS1・VERY GOOD
にしてカラットをあげてあげた方がイメージ的効果(見た目)におけるイメージは大幅に変わります。
価格は0.3カラットの後者と最適価格で同様の値段となります。
となれば多くの方にとって、0.4カラットの方が良い買い物をしたと納得できる選択肢になるはずです。
4Cのわずかな表記の違いに固執すると、かえって良質な選択肢を逃してしまうこともあるわけですね。
もちろん0.3カラットで品位が最高クラスのものにしたいという目的であれば、後者の0.3カラットは優秀な選択肢となります。
こうした考え方を身につけておけば、宝石店での婚約指輪ダイヤモンド選びは非常にスムーズに事が運ぶと思います。
お店は現物確認に集中する。
これまででご紹介した知識を理解しておけば、基本的な予算範囲、
ターゲットとなるダイヤモンドクラスはある程度決まってくるかと思います。
しかしこれらは決まっていても、多くの方が宝石を生の状態で見たことがないかと思いますので、実際のイメージは湧きづらいかもしれません。
店舗へ行く目的はこれです。
筆者は年間1000名以上のお客様と商談を重ねておりますが、最近はほとんどの方が現物確認のためにいらっしゃいます。
ある程度予算を決め、カラットを決めて、後は実際のダイヤモンドカラットを見て比較して、決定する。という流れです。
こうすることで旗はお客様の方にありますから、無駄なセールストークに耳を傾けることなく、
ご自身及びお相手の方にとって最適な婚約指輪選びを進めやすくなります。
ご予算が30万円〜50万円であれば、最適価格で0.3カラット〜0.5カラットあたりのダイヤモンドをまとった婚約指輪がホットターゲットとなります。
後は店舗へいき、実際の0.3カラット・0.4カラット・0.5カラットのダイヤモンドを見て最適だと思う実際のサイズを選べば良いわけです。
0.3カラットが想像よりも大きかったなら0.3カラットでも良いでしょう。物足りなければ0.4、0.5へと駒を進めましょう。
デザインを独断することは、最も危険。
ダイヤモンド選びについて様々な考え方をご紹介してまいりましたが、次はデザインについてです。
婚約指輪のデザインについては最も悩ましい部分かと思います。
結論から申し上げます。デザインを贈り主の方が独断することは最も危険です。
基本的にはデザインはお相手の方に選んでもらうようにしましょう。
単に婚約指輪といってもデザインは無数にあります。
またお相手の女性の指に対して相性という概念も発生します。
プロポーズで指輪をプレゼントしたい。
というイメージが強いのはわかりますが、現代においてその方法を選択される方は非常に少なくなってきています。
予算は贈り主の方が決め、デザインは相手が決める。この方法がベストです。
> EIKA フラワージュエリー・エンゲージメントコレクション
しかしプロポーズのプレゼントはどうするか。ここにも答えはあります。
それがダイヤモンドプロポーズです。
ダイヤモンドプロポーズとは、贈り主の方がご予算やイメージに合わせてダイヤモンドを選び、
そのダイヤモンドのみでプロポーズを行う方法のこと。主役たるダイヤモンドでプロポーズできるため、サプライズ性もあります。
> EIKA フラワージュエリー・エンゲージメントコレクション
プロポーズが成功したら、そのダイヤモンドをベースにして、相手の方の好きなデザインをオーダーメイドで叶えてあげましょう。
この方法によって、男性側はプロポーズや予算に集中することができ、
お相手の方はデザインに集中することができるわけですし、何よりサプライズプロポーズから指輪までの全てを叶えることができます。
主役たるダイヤモンドは決まっているので、予算を気にせずにデザイン選びができるのも魅力的なポイントです。
サイズが分からなくても安心ですし、下手なリサーチをする必要もありません。
ダイヤモンドプロポーズは現代においてスタンダードとなりつつある方法。
ぜひ相手に選択肢を残しながらも、素敵な形で贈れるダイヤモンドプロポーズを採用しましょう。
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